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もしラピュタの主人公がキョンだったら ラピュタ前編 2

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 06:43:58.81 ID:k8crT+rT0
親方「そこのお嬢ちゃんも逃げな。ここは俺が請け負った」

そんなやり取りをしていると、いつの間にかデカい男が俺達の前に立ちはだかっていた。

長門「…」
パズー「俺も戦う!」
カーチャン「バカ言うんじゃない。相手は武器を持ってんだよ!?」
パズー「でも…!」
カーチャン「…いい子じゃないか。お前はその子を守っておやり」
パズー「…うん!シータ!みんな!こっちへ!」

結局、五人ともパズーの後に続いた。

ハルヒ「(な、なに?なになになに!?この大冒険はッ!!異世界!?海賊!?これはSOS団結成以来の快挙だわ!!!)」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 07:16:03.69 ID:k8crT+rT0
海賊B「やっと元に戻った…体が動く…」
海賊A「そこをどいてもらおう」
親方「どく?ふざけんな、男なら拳骨で通れ」
海賊A「へへ…いい度胸だ…」





どこまで走っただろうか?俺達は町を抜け、だだっ広い草原をひた走っていた。
キョン「はぁッ…パズー、ど、どこまで走るんだ?」

俺はそこにいる超能力者や対有機生命体ヒューマノイドインターフェースや体力女と違い、生身の人間だ。
正直…そろそろ肺がパンクしそうだ。でもシータはそこまで辛そうではない。
お、俺の体力がないだけかー!?


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 07:18:32.16 ID:k8crT+rT0
パズー「とりあえず海賊達から離れよう!奴らはかなり広い範囲でシータを探してる!」
ハルヒ「ねぇ!なんでシータはあんな奴らに狙われてるの!?説明しなさい!」
シータ「私が狙われてるんじゃない…私の持ってる…このペンダントを狙ってるの」
古泉「この石は何か不思議な力を持っている…。彼らからシータを守るために、僕らはこの世界に来たんですよ」
長門「…そう。ここは…シータの世界…」

そうだよな…あんまり実感が湧かないが、ここはシータの住む異世界なんだよな…
洋風の町並み。たくさんの自然。どう見ても日本とはかけ離れている…
おまけに空を見れば変わった飛行機まで飛んでやがる…日本にはあんな飛行機ないぞ?いや、あれは飛行機というより戦艦?
って、なんて馬鹿でかさだ!おまけにミサイルなんだの、物騒なものまで完全フル装備!だ、だれか銃刀法違反で取り締まれ!

シータ「…!? 空を見て!あれは私が捕まって乗せられてた…」
古泉「軍艦…? シータさんを狙ってたのは海賊だけではなかったんですね」
パズー「…やばい!俺達を狙ってる!逃げろ!!」
キョン「うわぁぁあ!!もういやだ!元の世界に帰してくれぇぇ!!」
ハルヒ「…(わくわく)」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 07:33:46.96 ID:k8crT+rT0
俺達が必死に逃げても、戦艦は上空からぴったりついてくる。
それでも振り切ろうと走っていると…

は、発砲してきやがった!!??

キョン「うわ、まじかよ!人間相手にそれはないだろ!!!!」
古泉「いえ、でも当てる気はないようです。これは威嚇でしょう」
キョン「なんでお前はこの状況でそこまで冷静に分析できるんだ!?」
シータ「み、みなさんもういいです!私、飛行石を手放しますから!ここまで迷惑かけて、その上撃たれちゃったら私…」
古泉「なに言ってるんですか。それはあなたの物ですよ?それを平気で奪いに来るような人間に負けるわけにはいきません」
ハルヒ「そうよ!よくわからないけどそれはあなたにとって大事な物のはずでしょう!?」

お前ら…いい奴すぎて目から汗が出るよ。
うん、これは恐怖からくる汗ではない!
昨日今日出逢ったばかりのシータにここまで優しくできるお前らに不覚にも感動したんだ!うん!
決してビビッてるわけじゃな…いぃぃぃいいぃぃ!!!???

キョン「そ、そんなのアリか!?ミサイルだ!!!逃げろー!!!!」
ハルヒ「え…!? きゃぁっ!!??」
古泉「くっ…!直撃したら死にますよ!?」
長門「…当たり前」

どーん!!!!!!!


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 07:42:53.70 ID:k8crT+rT0
…ミサイルは遥か後ろに着弾したが、それによって巻き起こったすさまじい爆風により、俺達は空中に勢いよく投げ出された!

あぁ…空を飛ぶってこういうことか…

背中が焼け付いたように痛い。もう汗で前が見えない。

そして、頭から地面に叩きつけられたと思った瞬間、意識はそこで途絶えた。



54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 08:03:19.62 ID:k8crT+rT0
?「…さい!」

ん?なんだ?誰の声だ?

?「…ください!」

な、なにを…?

?「…きてください!」

…どこに行けと?

古泉「起きてください!」
キョン「うわぁ!? …ん?なんだ、お前か」


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 08:05:20.26 ID:k8crT+rT0

上半身だけ起こして、周りを見渡す。石造りの部屋?なんか牢屋みたいだな、おい…
それより、か、体がいてぇ…ここはどこだ?俺はなにを?

古泉「あのミサイルも、威嚇だったようですね。いや、あれは足止めでしょうか?」
キョン「ああ、思い出した…って、あのミサイルに当たって無事だったのか俺ら!?」
古泉「当たってはいないですよ。後ろで着弾したので」

なんだそうか…ホッと胸を撫で下ろす

キョン「ところで、ここはどこだ?」
パズー「ティディス要塞だよ。僕らは軍に捕まったんだ。シータと一緒にいたからだと思う」
キョン「そうか…くそ、そういえばシータがいない…あれ?」

ハルヒはまだ気を失っているようだ…古泉、パズーは無事だし…

も う 一 人 は ?


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 08:15:11.13 ID:k8crT+rT0
そうだ長門!あいつ、もしかしてあそこに置き去りに!?
…いや、それはない…俺達を連れてきて、長門だけ連れてこないなんていうことはないはずだ。

古泉「おそらく、シータさんと長門さんは一緒でしょう」
キョン「な…シータはあの石の所有者だから、別なとこで取り調べっていうのもわかるが、長門は…」
古泉「わかりません…しかし、軍の狙いが石だけなら、僕らがやられたとき、石だけ持ってこればよかったはずです。わざわざ僕らまで連れて来る意味は無い」
キョン「な…じゃあ、軍の狙いは石だけじゃなく、シータも?」
古泉「ええ、おそらくは軍の目的は別にあり、その目的のために、シータさんとあの石が必要…と考えればつじつまが合いますね」
キョン「なんてこった…じゃあ、俺達は一体どうなるんだ…? おい、ハルヒ、起きろ!今大変なことになってるんだぞ!」
ハルヒ「んー?…もう、バカキョン…さっさと……むにゃ」

なんでこいつはこの状況でこんなに幸せそうに寝ていられるんだ!?


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 08:25:42.39 ID:k8crT+rT0
兵士「おい、お前ら!今すぐ外へ出るんだ」
パズー「シータとナガトはどこだ!?」
兵士「いいから来い!」
パズー「…くっ!」
古泉「…行きましょう、みなさん」
キョン「…わかった。おい、ハルヒ!」
ハルヒ「ん…?うるさいわね…!? え? ここはどこ!?」
キョン「いいから、行くぞ、起きろ」

俺達は兵士の後に続き、重苦しい廊下をひた歩いた。

すると急に兵士が立ち止まり、こちらに振り向きもせずに言った。

兵士「ここで止まれ!」

そうしてしばらく待っていると、そこに現れたのは…

世界史の先生によく似た眼鏡の男と、シータ、それに長門だった。


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 08:39:36.51 ID:k8crT+rT0
いきなりの兵士の登場にも驚いたが、これにはもっと驚いた。
さして抵抗もせずに、そこにいるのが当たり前かのように、シータと長門はそこにいた。
状況がつかめず、しばらくその場に立ち尽くしていると、シータと長門の横にいる男が口を開いた。

大佐「いやいや、悪かったね。まさか君らが海賊達の手からシータを守ってくれていたとは思わなかったんだ」
パズー「シータをどうする気だ!?」
大佐「どうもしないさ。ただ、少しばかり我々に協力してもらうだけだ」

そう言うと、その男はシータに視線をやり、すぐこちらに向き直った。

シータ「いろいろと迷惑ばかりかけてごめんなさい。私のことは忘れて。みなさん、今までありがとう」
パズー「シ、シータ?」
古泉「…長門さんはどうなんでしょう?」
キョン「そ、そうだ!お前らの目的は石とシータなんだろ!? 長門は関係ない!」

なのに、なんで長門、お前は黙ってるんだよ!!

大佐「いや、我々の目的は別のところにある。その目的のためにシータの協力とこの石を手に入れることが必要だったんだが…」

今度は長門の方に視線をやると、むかつくニヤケ笑いを隠しもせずに言った。

大佐「彼女にも、いろいろと協力してもらおうと思ってね。いや、二人とも物分りがよくて助かったよ」


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 08:52:52.72 ID:k8crT+rT0
キョン「長門…お前…」
パズー「シータ…」
シータ「ごめんなさい…」
長門「…」

キョン&パズー「ちくしょおおお!!」
ハルヒ「ちょ、キョン!?」

何も考えてないのに、体が先に動くとはこのことだ!
ただ、見慣れたはずのいつもの長門の無表情な顔を見て、いきなり腹が立った!
なんで長門があいつの協力に応じたのかはわからない!
ただ、お前が言ってたシータの世界に迫っている危機ってのは…
間違いなく、今お前の隣りにいる男が引き起こすものだってことくらい、超能力者でも未来人でも対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースでもない俺にだってわかるぞ!
それなのに…お前は、そんな奴に協力するっていうのか!?
そう考えると、もう落ち着いてはいられなかった!
どうやらパズーも俺と同じ気持ちだったらしく、パズーはシータに、俺は長門に向かって突進した!


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 09:00:50.08 ID:k8crT+rT0
しかし…

兵士「お前ら、止まれ!」
俺の突進は軽々と兵士の手によって止められてしまった!
だがパズーは兵士の手をすり抜け…

パズー「シータ!!!」
大佐「君らも男なら、聞き分けたまえ!」

あの男によって押さえつけられた。

キョン「ちくしょう…!長門、お前…!」
パズー「シータ!!シータ!!!」

俺達の言葉むなしく、あの二人は…

長門「…」
シータ「…本当に…ごめんなさい!」

後ろに控えていたもう一人の兵士に連れられ、部屋へと入っていった…。


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 09:13:38.81 ID:k8crT+rT0
パズー「…」
キョン「…」
大佐「砲撃の件だが、少々やりすぎではあった。すまない。これは少ないが、気持ちだ。とっておきたまえ」

その男は、うなだれているパズーに金貨を三枚ほど握らせると、あの二人に続いて部屋に入っていった。



その後、俺達は釈放され、黙って要塞を出た。そうするしかなかった。
だが、その先どうすればいいかなんてことは、てんでさっぱりだった。
元の世界へ帰る?長門をおいて?第一、シータがいなけりゃ、帰れないんじゃないのか?
じゃあ、シータと長門を奪い返すか?あいつらは自分の意思で奴らに捕まったっていうのに?

パズー「…とりあえず…うちにおいでよ」
古泉「…そうですね。これからのことはそこで考えるとしましょう」
ハルヒ「あいつら…許せないわ!あんたたち!悔しくないの!? 私達SOS団の貴重な団員が奪われたのよ!?」
キョン「じゃあ、どうするっていうんだお前は!? あいつらにケンカ売るっていうのか!?」
ハルヒ「当たり前じゃない! パズー、家まで案内して! さっさと帰って計画を立てるわよ!」


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/17(日) 09:31:29.55 ID:k8crT+rT0
黙ってパズーの後に続く。
皆も黙ってはいるが、語らずともわかる。気持ちは全員同じだ。
「長門とシータを奪い返したい」
だが、そんな方法、あるわけないじゃないか。
敵は軍隊だぞ? 軍事力だってバカにならない。
そんな奴らに、ただの高校生+αが勝てるはずないじゃないか…古泉やハルヒだって、撃たれりゃ死ぬだろうし。
そんなことを一人で考えているうちにどんどんと鬱になり、もう何も考えずにただ歩くことにした。



パズー「ついたよ、こっちこっち」

もう着いたのか…いや、やっと着いたというべきなのか?時間が経っているという間隔がまるでなかった。
空を見れば、もう日は落ちかけていた。この世界にも、朝昼晩は存在するのか。
そんなくだらないことを考えながら、パズーに続いて家に入る…って!?

?「悪いが、借りてるよぼうや」

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